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    日本人とパンダの「絆」

    人民網日本語版 2023年05月24日11:06

    東京上野動物園の「アイドル」だったジャイアントパンダの「香香(シャンシャン)」が今年2月21日に中國に返還され、日本の多くのファンはその別れを惜しんだ。日本人に「癒し」や「ハッピー」を屆けるパンダは、中日友好の使者であり、その証人でもあると言えるだろう。人民網が報じた。

    日本における「パンダブーム」は今も変わらず

    1972年10月28日、上野動物園にやって來たパンダの「康康(カンカン)」と「蘭蘭(ランラン)」(寫真提供?公益財団法人東京動物園協會)。

    1972年10月28日、上野動物園にやって來たパンダの「康康(カンカン)」と「蘭蘭(ランラン)」(寫真提供?公益財団法人東京動物園協會)。

    中日の國交が正常化した1972年、中國は「友好の使者」としてパンダの「康康」と「蘭蘭」を、上野動物園に寄贈。2頭は同年10月28日に日本に渡り、當時の二階堂進內閣官房長官が羽田空港で出迎え、「國賓級の待遇」と言われた。上野動物園は、日本で最初のパンダを迎えたことを記念し、10月28日を「パンダの日」とした。そして、翌年春には、4000萬円を投じてパンダ舎を建設した。

    1972年11月5日、上野動物園はパンダの一般公開を開始。パンダをひと目見ようと、多くの人が夜中から列を作った。同日、5萬6000人が動物園に詰めかけ、2キロの列ができ、入場制限がかかったため、最終的にパンダに會えたのは1萬8000人だったという。その後、上野動物園の年間入園者數が延べ700萬人を超える年が続いた。同年12月17日、「東寶」が配給したパンダを主人公としたアニメーション映畫「パンダコパンダ」が公開された。同作品の腳本はアニメーション映畫監督として有名な宮崎駿氏が務めた。大ヒットとなったため、翌73年には続編の「パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻」が公開された。

    1986年6月、上野動物園にとっては2頭目となったパンダの赤ちゃんが誕生。名前募集には27萬通を超える応募があり、最終的に「童童(トントン)」と名付けられた。

    お母さんパンダ「真真(シンシン)」の背中に寄りかかる「香香」(寫真提供?公益財団法人東京動物園協會)。

    お母さんパンダ「真真(シンシン)」の背中に寄りかかる「香香」(寫真提供?公益財団法人東京動物園協會)。

    2017年、待望のパンダの赤ちゃんが再び誕生。その名前募集には32萬通を超える応募があり、最終的に「香香」に決まった。そして、一般公開が始まると、「香香」の観覧抽選の倍率が一時は144倍にも及ぶ人気となった。中國との取り決めで、「香香」は2歳で中國に返還されることになっていたものの、たびたび延期され、最終的に今年2月21日に返還された。最終観覧日となった2月19日には事前抽選で2600人の枠に6萬人が申し込んだ。當日は動物園の外にもファンが詰めかけ、別れを惜しんで涙を流す人もいた。

    日本の関西大學の宮本勝浩名譽教授は、「『香香』が東京にもたらした経済効果はおそらく600億円から650億円になるだろう」との見方を示している。

    雙子のパンダ「暁暁(シャオシャオ)」と「蕾蕾(レイレイ)」(寫真提供?公益財団法人東京動物園協會)。

    雙子のパンダ「暁暁(シャオシャオ)」と「蕾蕾(レイレイ)」(寫真提供?公益財団法人東京動物園協會)。

    上野動物園だけでなく、日本では和歌山県の南紀白浜「アドベンチャーワールド」と兵庫県神戸市立王子動物園でもパンダを観覧することができる。「アドベンチャーワールド」はパンダの繁殖に何度も成功しており、海外のパンダファミリーとしては世界最大規模の「浜家」を誇る。

    では、日本人はなぜこれほどパンダが好きなのだろうか?日本の著名な動物學者?今泉忠明氏は、「パンダは顔や身體全體に丸みがあって、動きがおぼつかなく、思わずキュンとしてしまう。日本で流行しているカワイイ文化にマッチしている」と分析する。

    中日友好の使者

    1995年、日本では阪神大震災が起きた。復興に勵む神戸市民、特に子供たちを勵まそうと、神戸市は中國と協議を行い、パンダの「旦旦(タンタン)」と「興興(シンシン)」が2000年、王子動物園に送られた。パンダがやって來た神戸では大ブームが起こり、王子動物園の來園者は激増。「旦旦」は親しみを込めて、「神戸のお嬢様」と呼ばれるようになった。「『旦旦』を見ると、勇気が湧いてくる」とコメントを寄せるファンもいるほどだ。

    元駐日中國大使の孔鉉佑氏は、パンダに「親善大使」と手書きしたメッセージカードを寄せたこともある。2022年12月17日、在大阪中國総領事館の薛剣総領事は、日本で暮らして28年になるアドベンチャーワールドのオスのパンダ「永明」を、日本と中國の「友好特使」に任命した。

    2023年3月17日には、在日本中國大使館が主催し、人民網日本株式會社が協賛する「パンダ友好交流の夜」イベントが、東京で開催され、楊宇臨時代理大使が式辭を述べた。また、小池百合子東京都知事や宇都宮徳一郎日中友好協會副會長(東京都日中友好協會會長)、日本の各界の友好関係者や青年代表約230人が出席した。楊臨時代理大使は、「パンダは中日友好の使者で、世界平和の象徴でもある。日本で飼育されているパンダは最も多い時で13頭と、中國國外では最多となった。両國の國民の友好、絆を十分に示している」と語った。

    人民網の取材に応じる上野動物園教育普及課の大橋直哉課長(撮影?蔣暁辰)。

    人民網の取材に応じる上野動物園教育普及課の大橋直哉課長(撮影?蔣暁辰)。

    上野動物園教育普及課の大橋直哉課長は人民網の取材に対して、「『香香』はちょうど、ソーシャルメディア時代に日本で生まれたので、日本人はその成長の過程を常にチェックすることができ、自分の子供のようにかわいがってきた。隣國ではあるものの、中國に行ったことがない日本人も多い。しかし、パンダが中國から來ているということは人々の心に刻まれているため、パンダを架け橋にして、両國は文化交流を展開しやすく、日本人に中國について理解する良い機會を提供している。民間レベルでの交流は、日中友好を促進するうえで重要な意義があり、パンダは不可欠な存在と言えるだろう」との見方を示した。(編集KS)

    「人民網日本語版」2023年5月24日

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