高齢者たちが嬉しそうに持ち帰るのは自分の遺影寫真　陝西省

陝西省商洛市の山深い場所でこのほど一風変わった寫真展が開かれた。寫真展に飾られているのは、どれも笑顔を浮かべた白髪の高齢者たちの生前に撮影した遺影寫真。そしてそんな自分たちの遺影寫真を眺める高齢者たちにとって、これらの寫真は人生で初めての、そして唯一の最も美しい笑顔に溢れた寫真となっている。高齢者たちは寫真を取り囲んで話に花を咲かせ、嬉しそうにそれぞれの遺影寫真を家に持ち帰っていった。この寫真展を主催したのは、「85後」（1985年から1989年生まれ）の楊鑫さんだ。彼女は2018年から、山岳エリアに住む60歳以上の高齢者を対象に、生前の遺影撮影を無料で行う活動を始め、これまでに2千人以上を撮影してきた。楊さんは、「お年寄りが喜ぶ姿を見ると、私自身も心が揺さぶられる思いがする。山岳エリアに住むお年寄りの多くは、子供たちが巣立ってしまい、お年寄りだけが家に殘された『空の巣老人』。地元を離れた若い人たちは自分たちの暮らしを維持するのに忙しく、老いた親の遺影寫真を撮影することまで考える余裕がない。そして親たちもまた自分のためにお金をかけてまで寫真を撮影しようとは考えない。これからもより多くのお年寄りたちに最も美しい笑顔の遺影寫真を撮ってあげたいと思っている」と話す。楊さんが活動を行っている彩虹公益チームは、今後も同様の活動を展開していく計畫だ。（編集KM）

「人民網日本語版」2022年4月11日