上海の復旦大學附屬華山病院の感染科の張文宏主任は今月14日、公式微博(ウェイボー)アカウントで、今後の新型コロナウイルス対策について、「はっきりとした思考回路を持つべきで、ゼロコロナか共存かの論爭ばかりしてはならない」と指摘した。
張氏は、「このウイルスの致死率はかなり低くなり、集団免疫を獲得している國の致死率はインフルエンザを下回るようになっている。しかし、今、急に開放すると、短期的に非常に多くの人が感染し、どんなに致死率が低いとしても、醫療が逼迫したり、社會生活が短期的に打撃を受けたりし、社會や家庭に対して埋め合わせのできない危害が及ぶ」と説明している。
感染拡大の今の段階は?
張氏は、「中國國內の拡大は上昇カーブの初期段階にある」と分析。
ウイルスの毒性弱まった?
張氏は、「ウイルスの毒性は確かに目に見えて弱まった。香港地區の今回の拡大で死亡した感染者を見ると、高齢のハイリスクという要素を除くと、その大多數は明らかに基礎疾患を持っていた。つまり免疫機能が正常で、ワクチンを打っていれば、どの種類のワクチンであったとしても、ブースター接種を受けていれば、ほぼ問題はないということ。このウイルスに関しては、恐怖を取り除くというのが、私たちの踏むべき第一歩となる」との見方を示している。
「ゼロコロナ」対策は必要?
中國のゼロコロナ対策について、張氏は、「感染拡大の速度が非常に速いオミクロン株が原因の第5波を、完全にコントロール可能な水準まで抑え込むというのは非常に重要」との見方を示す。
そして、「最近の中國各地の新型コロナ感染拡大の対応狀況を見ると、心理的にも、社會の資源の配置という観點から見ても、大量の感染者が同時に出現する準備がまだできていないことが分かる。今、全面的に開放すれば、必ず醫療が逼迫し、予測できないほどの超過死亡が発生する」と強調する。
ただ、「これは永続的にロックダウンや全市民を対象にしたPCR検査といった措置を講じるという意味ではない。永続させるべきなのは、受け入れやすく持続可能な措置。この後に必ず到來する市中感染ゼロという非常に貴重なチャンスと空白期間に、高齢者のブースター接種推進や最適化されたワクチン、ワクチン接種の計畫、幅広く供給できる飲み薬、手軽に入手できる家庭用検査キット、効果的な訓練や予行演習を経た患者を區分する診療計畫、今後の自宅隔離の流れ、次に輸入癥例と國內癥例の大規模な同時発生が起きた時に必要な整った対策?體系、十分な醫療資源の準備といった、さらに整備され、知恵があり、持続可能な対応策を練っておかなければならない」との見方を示している。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年3月15日