液晶モニターの前に立ち、ボールを蹴る動作をすると、センサーが體の動きに反応し、畫面上のサッカーゴールにボールが蹴り入れられ、そのゴールした位置によってそれぞれポイントが加算されていく。シンプルながら、誰でもすぐに楽しめるゲームを體験できるTANOTECH株式會社の展示ブースには、體験しようとする來場者が引きも切らなかった。中國國際輸入博覧會(以下、輸入博)を通じて、TANOTECHは中國での知名度をアップさせ、日本以上のスピードで高齢化が進む中國に大いなる可能性を見出している。人民網(wǎng)が伝えた。
非裝著?非接觸型自立支援ツール「TANO」を體験する來場者(撮影?張麗婭)。
福祉向け支援ツールの會社として設(shè)立
TANOTECH株式會社は、電車や飛行機?バスの3D訓(xùn)練シミュレーターを開発する會社を立ち上げていた三田村勉代表取締役が自社ブランドの商品として、交通安全と福祉のシステムを作り始め、2018年にその福祉向け支援ツール「TANO」だけに絞った會社として設(shè)立した。「TANO」は當初、福祉施設(shè)向けの楽しみのために作成された非裝著?非接觸型自立支援ツールだったが、専門家や利用者のニーズに応えていくうちに、リハビリテーションや測定等、そのコンテンツは100種類以上になっていったという。
海外に向けては、2014年から毎年、アジア最大の福祉機器展である國際福祉機器展に出展していただけでなく、多言語に対応する仕組みも作っていたこともあり、2017年に現(xiàn)在、中國における代理店を取りまとめている張克霞氏から中國展開に関する打診を受けた際も、スムーズに展開することができたという。ただ中國進出をスタートをさせた2018年の年間販売臺數(shù)はわずか數(shù)臺だったという。
第2回輸入博から連続出展
2018年に開かれた第1回輸入博は、TANOTECH株式會社の會社設(shè)立前に出展締め切りとなっていたため、出展が適わなかったものの、翌年の第2回輸入博にはJETROのジャパンパビリオンで出展を果たした。わずか3日間で5000人以上が體験し、システムを起動するとすぐに行列ができるという盛況ぶりで、會場でその様子を目の當たりにした三田村代表取締役は、「非常に手応えを感じた」と話す。また張氏も、この出展で知名度が一気にアップしたとし、來場したバイヤーを通じて、十數(shù)臺が売れ、年間販売量も倍増したとしている。
このほかにも、北京大學(xué)や清華大學(xué)から共同開発のアプローチがあったという。三田村代表取締役は、「日本でも多くの大學(xué)がTANOについて研究活用しているため、國際連攜ができると良いと願っている」と期待している。
そして輸入博への連続出展を通じて、現(xiàn)在は內(nèi)蒙古(內(nèi)モンゴル)自治區(qū)にある中ロ國境の街?満州里から、広東省や福建省といった南方エリアまで中國國內(nèi)の15の省?自治區(qū)をカバーするまでとなっており、それら地域の高齢者施設(shè)や病院、リハビリセンター、児童福祉施設(shè)などで主に利用されている。
第2回輸入博に參加した當時のTANOTECH株式會社の三田村勉代表取締役(撮影?玄番登史江)。
中國のニーズも取り入れ、さらなる発展目指す
中國市場とアフターコロナにおける今後の計畫について三田村代表取締役は、「TANOは毎年進化しており、日本だけでなく、中國からのニーズも取り入れている。アフターコロナではオンライン會議や指導(dǎo)がスムーズになり、より情報化社會が加速すると予測される。また、メタバースの流行からも人體のセンシングや仮想空間內(nèi)での運動ニーズも高まっていくだろう。コンピューターの普及からプログラミング教育も伸びると思われるが、課題は運動不足に伴う認知癥の増加。日本と中國は特に増えている傾向にあるので、協(xié)力して施設(shè)內(nèi)での運動や楽しみを増やし、認知癥予防対策を行っていくべきだと考える。そしてそこに欠かせないツールとしてTANOを展開していきたい」とした。
中國でも高齢化が進む中で、「楽しい老後生活」がますます重視されるようになってきている。そのため今後もますますこうした質(zhì)の高い老後生活をサポートするサービスや製品に対するニーズは高まっていくことだろう。今年の第4回輸入博でTANOTECH株式會社は開幕日に河南省の駐馬店市の民政局と合意に達し、月末にも契約締結(jié)を予定しているという(文?玄番登史江)。
「人民網(wǎng)日本語版」2021年11月11日