2020年の中國の國內総生産(GDP)は100兆元(1元は約16.0円)を超えた。これは中國経済にとって何を意味するのか。新たな発展構造を構築する上でどのような重要な意義をもつのか。
國家統計局の寧吉■(吉へんに吉)局長は18日、國務院新聞弁公室で行われた2020年の國民経済運営狀況に関する記者會見で、「GDPが100兆元の大臺を突破したことは、中國の経済の実力、科學技術の実力、総合的な國力がまた一つ新たな大きなステージに進んだことを意味する。小康社會(ややゆとりのある社會)の全面的な完成にとって、社會主義現代化國家の全面的な建設という新たな道のりをスタートさせる上で、非常に重要なシンボル的意義をもつ」と述べた。
そして、寧氏は次の4點を挙げた。
第1に、GDP100兆元超えは中國の総合的國力が増強を続けたことを意味する。20年の中國GDPは101兆6千億元に達して、史上初めて100兆元を突破した。中國の経済規模は00年に10兆元の大臺に乗り、12年に初めて50兆元を突破し、20年にさらに100兆元を突破した。この20年間で、経済規模は10倍に拡大し、この成果は世界中の注目を集めた。目下の年平均レートで換算すると、20年のGDPは14兆7千億ドル前後となり、世界2位で安定し、世界経済に占める割合は17%前後になるとみられる。20年の平均GDPは前年に続いて1萬ドルを超え、「中の上寄り」の所得國の仲間入りを果たし、高所得國との差が徐々に縮まった。
第2に、GDP100兆元超えは中國の科學技術力が絶えず進歩したことを意味する。重大な科學技術成果がこの1年間に次々と伝えられた。月探査機「嫦娥5號」が月面著陸に成功し、サンプルリターンした▽火星探査機「天問1號」の打ち上げに成功した▽500メートル口徑球面電波望遠鏡(FAST)が運営を開始した▽「北斗3號」グローバル衛星測位システムが開通した▽有人潛水船「奮闘號」が1萬メートルの潛水に成功した▽量子コンピューター「九章」の開発に成功した。こうして、テクノロジーイノベーションはますます活発になり、経済の質の高い発展に新たな活力を注入した。
第3に、GDP100兆元超えは中國経済の実力が目に見えて高まり、中國の工業?農業の生産能力が目に見えて増強されたことを意味する。20年の穀物総生産量は過去最高を更新し、前年に続いて世界一になった。工業製品220品目以上の生産量は世界一で、製造業の付加価値額は11年連続で世界一になる見込みだ。インフラが絶えず改善され、高速鉄道の営業キロは3萬8千メートルに達し、高速道路の総延長は15萬5千キロメートル、5G端末の接続數は2億臺を超え、いずれも世界一だ。情報、ビジネス、研究開発、マーケティングなど現代型サービス業が発展を続け、金融の実體経済へサービスを提供する能力が増強され、中國の社會的生産力が新たな水準に到達した。
第4に、GDP100兆元超えは中國が新たな発展構造を構築するための著実な基礎を打ち立てた。國內の大きな循環を主體としつつ、國內と國際的な2つの循環「雙循環」が相互に促進し合う新たな発展構造を急速に形成する。そのためのカギは內需にあり、特に消費ニーズのポテンシャルの発掘にある。中國は人口規模が世界一で、中所得層も世界最大であり、20年の社會消費財小売売上高は40兆元に迫り、最終消費支出は55兆元を超え、総資本形成も45兆元に迫り、こうしたことが中國の極めて大きな市場規模の優位性がさらに発揮されるよう後押しすることになるだろう。
寧氏は、「こうしたことと同時に冷靜に認識しなければならないのは、中國は今なお世界最大の発展途上國であり、一人當たり平均GDPは世界の平均水準よりやや低く、主要先進國と比較すると、まだ大きな開きがあることだ。中國は社會主義の初級段階にあるという基本的な國情が変わらず、発展のアンバランスさ、不十分さという問題が引き続き突出し、都市部と農村部の発展格差が今も大きく、イノベーション能力がまだ質の高い発展の要求に応えられていない。経済?社會発展の長期的な目標を達成し、中國を社會主義現代化國家に建設するには、なお刻苦奮闘し、努力し続ける必要がある」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年1月19日