「北京大學の警備員」がこのほど、微博(ウェイボー)で大きな話題となり、クリック回數5500萬回、寄せられたコメントは3000件に達した。その発端となったのは、北京大學第1回「指折りの警備員」選考會で、警備員20人が行ったスピーチ。武俠小説には、普段は地味に地面を掃いているだけなのに、実は武蕓に通じている僧侶がよく出てくるが、その「地面を掃く僧侶」のように、彼ら警備員も、大學の安全を黙々と守っているだけでなく、普段はあまり人には知られていない素晴らしい「特技」を備えているのだ。人民網が各社の報道をまとめて報じた。
選考會で、警備員の制服姿の許文龍さんは、青いファイルケースを手に、聴衆に自分の経験を語り始めた。許さんは、社會人大學入試を受け、大學に合格。授業の合間に、毎日英語の単語を覚え、3年間で覚えた単語數は1萬5000語以上になった。今は流暢な英語で留學生と會話することができる。また、今後の目標について、「來年、學部を卒業して、時間と気力があれば、大學院に進學してさらにレベルアップし、北京大學の教員、學生にもっと良いサービスを提供したい」と語った。
選考會では、許さんだけでなく、他の警備員たちも、自分の「特技」を披露した。例えば、プログラミング言語?Pythonを獨學で學び、仕事の効率を大幅に向上させたという警備員もいた。
これらの「特技」を披露する北京大學の警備員を目にしたネットユーザーたちは、「すごい!夢のある人は皆素晴らしい」といったコメントを次々寄せた。
近年、北京大學警備員のこうした人々の勵みとなるようなエピソードが數多く紹介され、ネットで大きな話題となってきた。
「社會人大學入試に合格した1人目の北京大學の警備員」
1995年に、「社會人大學入試に合格した1人目の北京大學の警備員」である張俊成さんにも、「地面を掃く僧侶」のようなサクセスストーリーがある。北京大學法學部(専科、短大に相當)に合格し、卒業した張さんは山西省長治市のある中等職業學校の校長になった。そして、この先10年以內に長治市で初めてとなる民営の大學を立ち上げることを計畫している。
「中國で初めて本を出した警備員」
山間の農家で育った甘相偉さんは高校を中退して、上海や広州で働いた後、北京大學の警備員になった。そんな甘さんは2008年に社會人大學入試を受け、北京大學の中國語學部に合格した。北京大學で4年學ぶ間に、甘さんは400冊以上の本を読んだ。そして、仕事や授業以外の時間を利用して、その5年の間に見たことや感じたことをエッセイにし、「站著上北京大學」という1冊の本にまとめた。前書きは、北京大學の周其鳳學長が寄稿し、彼も「中國で初めて本を出した警備員」と呼ばれるようになった。
甘さんは自分を「実験體」とみなし、「自分のような平凡な人が、努力をすればどこまで這い上がっていくことができるのかにチャレンジしている」という。
このように、人々の勵みとなるようなエピソードを持つ北京大學の警備員はたくさんいる。大まかな統計によると、過去約20年の間に、500人以上の北京大學の警備員が社會人大學入試を受け、中には大専(短大に相當)や大學の學歴を取得したり、大學院に進學したり、さらには、卒業後大學の教員になったりした人までいるという。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年11月13日