第75回國連総會第一委員會(軍縮?國際安全保障)の一般討論演説で、米國代表は再び新型コロナウイルス感染癥について中國を中傷し、ロシアと中國の核戦力強化によって國際平和?安全保障が深刻に脅かされていると妄言を吐いた。(文:崔越。人民網掲載)
これは明らかに「泥棒が泥棒を捕まえろと叫ぶ」米國の常套的トリックだ。トランプ政権発足以來、米國は「國家安全保障」を名目に公然と一國主義を推し進め、自らの國際的約束を無視し、頻繁に條約を破棄して自らへの制限を緩めてきた。軍備制限分野では、中距離核戦力(INF)全廃條約を破棄し、イラン核合意から離脫し、武器貿易條約(ATT)の調印を撤回し、多國間及び二國間の軍備制限條約?體制に対して露骨なプラグマティズム的姿勢を取ってきた。
新戦略兵器削減條約(新START)の期限が近づく中、ロシア側の度重なる延長要求に対して、米側は引き延ばし戦術を取り、消極的に対応してきた。米國務省によると、2019年9月1日から2020年3月1日までにロシアは核弾頭100発を削減したが、米國が削減したのは3発のみだった。この鮮明なコントラストは米國に誠意がほとんどないこともすっかり露呈した。
日増しに膨張する軍事的野望を満たすため、米國は國防予算を増額し続けている。2019年に米國の軍事費予算は7000億ドル以上にも達した。これは世界全體の40%近くであり、米國に続く10か國の軍事費の合計額を上回る。
2020年初めに米政府が議會に提出した総額7054億ドルの2021會計年度國防予算案のうち、核戦力現代化関連の要求額だけで289億ドルにも達した。非政府組織(NGO)「核兵器廃絶國際キャンペーン」の報告によると、2019年に世界の核保有國9か國の核兵器関連支出は総額729億ドルだったが、米國は約354億ドルと世界の半分近くを占め、前年度と比べて20%近く増加した。
米國は軍事力がすでに自國の安全を守るのに必要な水準を遙かに上回っているのが明らかなのに、なぜ借金をしてまで軍事費を増額するのか?世界最多で最先端の核兵器を保有しているのが明らかなのに、なぜ更なる核戦力を強化するのか?こうした一方的行動が國際軍拡競爭の「スターティングピストル」の発砲音となり、世界の戦略バランスの破壊を激化させ、衝突勃発の潛在的リスクとなることは間違いない。
ルールの破壊者、パニックの製造者であるだけでなく、米國は名実相伴う「戦爭愛好者」でもある。米國が建國後の240年余りの歴史の中で戦爭をしなかったのは16年しかなく、「世界史上最も好戦的な國」といえる。
米國の開けた「パンドラの箱」から出てきた脅威はこれだけでは到底とどまらない。中露を戦略的競合相手と位置づけて、冷戦思考に回帰した。核不拡散の問題においてダブルスタンダードを採用し、大々的に政治工作をしている。アジア太平洋や中?東歐にミサイル迎撃システムを配備して、戦略バランスを崩した。生物兵器禁止條約(BWC)に単獨で反対し、生物兵器の管理を妨げた。化學兵器の廃棄を繰り返し延期した。ハッカー帝國を築き、サイバー空間における覇権を企てている。
平和と発展がこの時代の基調だ。相互尊重、公平?正義、協力?ウィンウィンという新型の國際関係と人類運命共同體の構築が日増しに人々の心に浸透する中、米國はかえって時代の流れに逆行し、獨斷専行して自國の「絶対的安全」を追求し、軍事的覇権を強化し、単獨世界覇権を妄想している。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年11月13日