雲(yún)南省福貢県鹿馬登郷の阿路底貧困支援移住?再定住エリアに足を踏み入れると、聞きなれた曲を傈僳(リス)語(yǔ)で歌う、美しい歌聲が聞こえてきた。その聲につられて福貢群発民族服飾加工専業(yè)合作社に入ると、淺黒い肌をした男性がリードしながら、研修に來(lái)ていた村民が大きな聲で歌を歌っていた。
その男性は、合作社のリーダーである此路恒(ツルハン)さんだ。リス族のツルハンさんの話(huà)になると、村民らは次々サムズアップをして賞賛する。幼いころの病気の後遺癥で、今も杖をつく彼は、不屈の精神と努力を糧に、村民たちの先頭に立って貧困を脫卻し、富を築く道を突き進(jìn)んできた。
雲(yún)南福貢県鹿馬登郷赤恒底村で歌を合唱するリス族の混聲合唱団。畫(huà)像は鹿馬登郷政府が提供
非常に険しいものの、壯麗な怒江大峽谷が、ツルハンさんの生まれ故郷。そこは、山に寄り添うように作られた村だ。貧しさから、ツルハンさんは中學(xué)校を退學(xué)した。そして、身體的な障害のため、思うように動(dòng)くことができず、當(dāng)初は家で簡(jiǎn)単な手作業(yè)をするしかなかった。しかし、賢い彼は諦めることなく、家に富をもたらす道を探り続けた。
その後、建築の請(qǐng)け負(fù)いをして、ツルハンさんは人生で初めてまとまったお金を稼ぐようになったものの、2年後には、その手っ取り早く稼げる建築の仕事を辭めた。なぜなら「自分だけが豊かになっても意味がなく、故郷の皆と一緒に何かをやりたかった」とツルハンさん。
ツルハンさんは、「どうしたら村民らが技能と産業(yè)を持てるようになるのだろうか?」と、頭をひねり続けた。そんなツルハンさんは、伝統(tǒng)的なリス族の集落?赤恒底村のどの家の人も、糸を紡ぎ、布を織る技術(shù)や服飾加工の技術(shù)を持っており、そこにビジネスチャンスがあることに気付いた。手織りの麻布なら、利益が少ないものの、服に仕立てれば市場(chǎng)で良い値段で売れると考えた。
そこで、ツルハンさんは妻と共に、ミシンなどの機(jī)器、設(shè)備を購(gòu)入し、民族衣裝のデザインを始めた。すると、新作を出すたびに人気となり、供給が需要に追い付かないほどになった。
雲(yún)南福貢県鹿馬登郷赤恒底群発民族服飾加工専業(yè)合作社で仕事するスタッフ。畫(huà)像は鹿馬登郷政府が提供
2013年、ツルハンさんは周?chē)欷摔い霗C(jī)織りができる村民に呼びかけ、福貢群発民族服飾加工専業(yè)合作社を設(shè)立した。その呼びかけに応じ、村の人々から集まった資金は100萬(wàn)元(1元は約15.9円)を超えた。加工生産設(shè)備を購(gòu)入し、生産専門(mén)チームを立ち上げた。そして、これまで家庭規(guī)模の作業(yè)場(chǎng)で織られ、作りが粗く、製品のバリエーションが少なく、しかも規(guī)格がバラバラだったという欠點(diǎn)も改善した。
合作社の商品はリス族と怒(ヌー)族の民族衣裝がメインで、顧客のニーズに合わせて、ツルハンさんはメンバーと共にバリエーションを増やし、新しいスタイルをデザインし続けた。その努力が実り、合作社が設(shè)立した當(dāng)年に平均世帯収入2萬(wàn)元以上を?qū)g現(xiàn)した。
生産規(guī)模が拡大するにつれ、合作社の製品はブランディング効果を発揮するようになった。民族衣裝を大きな産業(yè)にするため、合作社はブランド「紗蘭顔」の商標(biāo)登録を出願(yuàn)した。現(xiàn)在、合作社は年間4萬(wàn)著の服を製作できる生産能力を備えており、その商品は怒江州現(xiàn)地だけでなく、ミャンマーやシンガポール、タイ、日本などでも販売され、年間売上高は370萬(wàn)元以上に達(dá)し、村民40世帯以上に富をもたらした。
「この産業(yè)を通して、収入が増えただけでなく、民族の伝統(tǒng)服飾文化を継承することもできた。そして村民たちは仕事をすることで、自信を増した」とツルハンさん。
最近、ツルハンさんはますます忙しくなっている。福貢県高黎貢山に帰ってきた人々を?qū)澫螭摔筏坎每p研修教室では、ミシンの「カタカタ」という音がずっと鳴り響いている。そこで、ツルハンさんは、リス族とヌー族の村民數(shù)十人を?qū)澫螭思夹g(shù)研修を行っている。
研修に參加している人を見(jiàn)ると、20代の女性もいれば、50歳を過(guò)ぎたリス族の女性もいる。「村民に技術(shù)をマスターしてもらわなければならない」と話(huà)すツルハンさんの訓(xùn)練を受けている人々は2ヶ月すると「獨(dú)り立ち」し、自宅の作業(yè)場(chǎng)や怒江の各貧困支援作業(yè)場(chǎng)で働くようになる。
その他、ツルハンさんはオンライン販売プラットフォーム「中國(guó)民族服飾商城」の管理にも攜わっている。「もっと発展するために、先を見(jiàn)據(jù)え、いろんなことを考えなければならない」とツルハンさん。
「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2020年11月11日