運命に奇跡は起こせないが、物理には奇跡が起こせるようだ。チョップでレンガ割りというと、「空手家」を連想する人も多いかもしれないが、中國のある高校の物理教師?張輝さんが、授業でそれを楽々とやってのけ、話題になっている。新華網が報じた。
レンガを割り、學生から驚きの聲が上がる中、張さんの口からは、「知識は力なり」という名言が発せられた。その言葉には、豊富な物理學、哲學、心理學、運動學の知識が詰まっており、奧が深い。
教師になって14年になる張さんは、雲南省紅河哈尼(ハニ)族彝(イ)族自治州彌勒(ミーラー)市のある中學(中高一貫校)高等部の物理教師。生徒に物理に興味を持ってもらおうと、授業でさまざまな「一蕓」を演じている。「生徒に動畫を撮影してもらったのは、それをクラスのパソコンに移し、授業中にスロー再生して、細かな部分を見てもらい、新しい知識を通してその不思議な現象を説明するため」と張さん。
チョップでレンガを割る動畫がネット上で大きな話題となっていることについて、「予想外」と話す張さんは、「馬鹿力が必要なわけではなく、レンガを少し浮かせ、機にぶつけて割る感じ。この実験を通して、『運動量理論』を説明したかった」と説明する。
張さんに、多くの人が理科系男子に抱くイメージはなく、その體はがっちりとしていて、スポーツマンのようだ。そんな張さんは、物理の授業でも、スポーツの要素がたくさん詰まったいろんなアイデアを駆使している。「物理とは、物體の本質的な規律を探究するもので、全てのスポーツ競技の原理は物理と関係がある」と張さん。
そして、「僕は理科の教師なので、朝一に授業があることはほとんどない。そのため、朝6時に起きて、なにがあっても、必ずまず1時間運動する」といい、その物理の授業における「一蕓」は、運動にインスピレーションを得ているのだという。また、毎日、ジョギング中には、「どうすれば、生徒たちに物理に興味を持ってもらえるか」、「次の授業の冒頭では何をするか」、「前の授業ではどんな反省點と、良かった點があったか」の3點を考えているという。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年6月9日