北京で4月3日夜発生した暴力事件が、中國のSNS上で話題になっている。中國人女性が暴漢に襲われている間やその後女性が助けを求める間も、援助の手を差し伸べる人は皆無だった。この事件は、人々の関心を集めた。參考消息網が米國メディアの報道を引用して伝えた。
監視カメラに映った動畫は、ネット上でたちまち広まり、延べ700萬人以上が動畫サイトの優酷網でその動畫を視聴した。被害者の「彎彎」さんは、警察に関連情報の提供を求めたが拒否されたことに憤り、數千人の微博(ウェイボー)ユーザーも彼女の怒りに同情を示した。ユーザーらは、同時に、恐怖を味わった彼女を懸命に慰めた。ある人は、「女性が暴漢に襲われたという暴力犯罪に対して、警察側は『まったく無関心だった』ことは紛れもない事実だ」と投稿した。この投稿に対して多くの人が反応した。というのも、彼らの中には、警察とのかかわりで同じような経験をした人が少なくなかったからだ。
中國において、國民が犯罪に関するデータを得る機會はほとんどない。だが、國連地域間犯罪司法研究所(UNICRI)が発表した「國際犯罪被害者調査」によると、北京における性的被害の屆け出率は世界最低レベルで、カイロとジャカルタを上回るにとどまった。中國香港では、法律執行當局が把握した性的被害事件が同類の事件全體に占める割合はわずか2%。香港大學の研究によると、警察に屆けられたこの2%の事件のうちほとんどは、司法手続がとられなかった、あるいは加害者が裁判で有罪判決を受けて終わることはなかった。
このような現狀はまさに、SNSが重要な役割を果たすことになった原因といえよう。香港大學社會福祉活動?社會行政部の陳高凌?準教授は、「はっきりとは言えないが、この事件が広く話題にならなければ、警察當局はこんなに素早く対応することはなかっただろう。性暴力や家庭內暴力は、警察が研修を実施する際の必須科目ではないからだ」と指摘した。陳準教授は、研究報告において、「中國では、パートナーの男性とのいさかい絡みで女性被害者が生まれるという文化的背景が色濃い。このため、警察は積極的に介入することを控える傾向にある」と分析している。
SNS上で話題に上ったことで暴力事件の処理?進展狀況が変わったのは、今回が初めてではないが、SNSの役割が発揮されていなければ、この種の事件が未解決のまま棚上げされる可能性は極めて高い。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年4月26日