今月8日のウファサミット開催直前、習近平國家主席はインドのモディ首相と會談した。両國はいずれも発展途上の大國であり、急成長を続けるBRICSの構成國であることから、この會談は各界の注目を集めた。ここで気になるのが、なぜインドは上海協(xié)力機構(SCO)への加盟を急いでいるのかだ。人民日報が伝えた。
今年5月、中國は訪中したモディ首相を高いグレードでもてなした。両國首脳は西安で中印戦略パートナーシップの中身を充実させ、より緊密な発展パートナーとしての関係を構築していくことで合意し、世界に向けて協(xié)力と共同発展という積極的なシグナルを発信した。今回ウファでモディ首相と會談した習主席は、「雙方の共同努力の下、我々の各分野の共通認識が実行されつつあり、両國の立法機関、鉄道、産業(yè)パーク、スマートシティといった分野の協(xié)力が安定的に進められている」と喜んで語った。
ウファサミットではインドとパキスタンがSCOに加盟する手続きが進められるが、これも大きな注目點の一つとなっている。順調にいけば相応の決議が可決されることになる。
インドの「経済時報」紙は、これはSCO設立14年來初の加盟國拡大であり、インドとパキスタンという核保有國が國と地域の安全を維持することを初志に創(chuàng)設された地域組織に加盟することは意義深いことであり、その役割は軽視できないと伝えている。組織の機能から見ても、SCOが重視する「3つの勢力」(極端な宗教勢力、民族分裂勢力、テロ勢力)の撲滅という課題は、まさにインドとパキスタンが直面する課題でもある。
中國上海協(xié)力機構研究センター常務理事、中國國際問題研究院上級研究員の石沢氏は、「今回の加盟國拡大は、地域の安全の維持が中央アジアから南アジアへと拡大したことを意味しており、インドとパキスタンはこの地域で影響力のある國でもあり、緊密な協(xié)力関係を結ぶことは現実的に意義あることだ」と指摘している。また石氏は、「中國はSCOの重要な加盟國として、新メンバーに対し積極的かつ慎重な姿勢を示してきた。設立以來、関連の法整備のプロセスにも力を入れ、10年以上の時を経た今では成熟したものになっている」と語る。
「インドの加盟は、中印両國の新たな分野での協(xié)力も開拓することになる」。石氏は、インドのSCO加盟を歓迎することは、中國がインドとの関係改善を望む意思表示であると分析する。しかも、國際社會において、中印が協(xié)力を深めることは発展途上國の利益を守る上でも重要な意味をもっており、中印は手を攜えてグローバルガバナンス體制の改善を進めていかなければならない。
もう一つ軽視できないのが、SCOに加盟することによってインドにもたらされる経済的メリットだ。インドは世界最大のエネルギー消費國の一つであり、SCOに加盟すればロシアや中央アジア諸國とより円滑なエネルギー協(xié)力交渉を進めることができ、より緊密な相互信頼関係を構築することに繋がるのだ。(編集IM)
「人民網日本語版」2015年7月10日