南開大學(天津市)化學學院の周震教授が率いる研究チームはこのほど、二酸化炭素を呼吸する電池を発見した。この電池は、グラフェンをリチウム二酸化炭素電池の空気電極に、金屬リチウムを負極にし、大気中の二酸化炭素を吸収しエネルギーを放出する。科技日報が伝えた。
充電可能なリチウム二酸化炭素電池の構想は、同チームのメンバーである蘇利偉氏の3年前の実験から得られた。蘇氏は、炭酸塩をリチウムイオン電池の負極にすると、リチウムの貯蔵容量が異常に拡大し、反応の過程において二酸化炭素の気泡を生むことを発見した。その後、博士課程の張彰氏がリチウム酸素電池の研究プラットフォームを構築。メンバーは実験を繰り返し、電極の性能を高めた。初めてグラフェンをリチウム二酸化炭素電池の空気電極に利用したところ、卓越した性能を記録し、20回以上の連続充電?放電が可能となった。これは現時點の最高水準だ。リチウム二酸化炭素電池の性能の改善は、グラフェンの高い導電性と広い比表面積によるもので、電気化學的反応に良好な條件を提供した。
この電池の基本的な原理については明らかにされておらず、かつ動力學的性能および充電?放電の循環能力が低いため、さらなる研究が必要だ。しかし専門家は、同研究はエネルギー保存?転化における二酸化炭素活用の促進、およびリチウム酸素電池からリチウム空気電池への飛躍の実現に対して重要な意義を持つと判斷している。
同研究成果は、化學界の伝統ある3大學術誌の一つである「応用化學(國際版)」に掲載され、編集部によって注目論文に選ばれた。同研究は、國家自然科學基金委員會および中國教育部(省)の資金援助を受けた。(編集YF)
「人民網日本語版」2015年5月19日