「醫の倫理-過去?現在?未來-企畫実行委員會」が京都で12日、「日本醫學會総會2015関西」に合わせ、醫學犯罪と醫學倫理をテーマとした學術シンポジウムを開催した。シンポジウムでは、中國侵略日本軍第731部隊による非人道的行為を曖昧にする姿勢に対して疑問を呈し、學界に対して、戦時中に行われた醫學犯罪を十分に検証し、史実を直視することで、醫學倫理に欠けているという醫學界の現狀を是正するよう呼びかける聲が挙がった。新華網が報じた。
シンポジウムでは、初めに、731部隊が実施した細菌戦と九州大學での米軍兵を対象とした生體実験に関する資料ビデオが放映された。その後、醫學、哲學、政界、歴史など各分野の専門家が、醫學倫理、人権意識、ドイツ戦後史との比較などの點から、醫學犯罪を真っ向から見つめる重要性についての論証が進められた。「NPO法人731部隊?細菌戦資料センター」の共同代表を務める近藤昭二氏は、「731部隊が行った細菌戦は、戦後、裁判で裁かれておらず、ある意味では、それが日本における醫學犯罪の種を蒔いたことになった。その史実に蓋をしたことは、日本人醫療従事者のその後の醫學倫理に対する姿勢に影響を及ぼし、その結果、戦後の醫學犯罪も、相応の罰を與えられることはなかった」とコメントした。
「731―石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く」を著した青木富貴子氏は、「日本は敗戦後、米國に細菌戦に関する資料を提供することを交換條件として、関連責任者の戦爭責任の追及を免除してもらった。関連資料が続々と公開され、特に中國で最近、大量の戦時中の資料が公開されたにも関わらず、日本はこの史実を無視し、蓋をして覆い隠しているが、このような態度を取り続けることで、日本はより受け身の立場に陥るだけだ」と指摘した。
大阪市立大學の土屋貴志?準教授は、「日本が生體実験によって膨大な數の人々を虐殺したという慘い犯罪の事実を認め、犠牲者に謝罪し、遺族に償わない限り、日本と日本の醫學界の『不正義』と『史実の歪曲』は決して消え去ることはない。また、醫學研究に関する論理を議論する資格もない。戦爭中の醫學犯罪に対して検証を行うことで初めて、日本醫學界は『正義』を取り戻すことができる」と語った。
長年の間、日本政府と日本の醫學界は、醫學犯罪を隠し続けてきた。九州大學は今月初め、生體解剖実験に関する資料を初めて公開したが、その資料は限られたものだった。今回の醫學犯罪と醫學倫理問題をテーマとした學術シンポジウムを開催するにあたっても、日本醫學會総會の反対に遭った。醫學史における「負の遺産」にいかに対峙するかという問題は、日本の政府と醫學界がどうしても乗り越えねばならない問題だ。
「醫の倫理-過去?現在?未來-企畫実行委員會」は、日本の醫學研究者や醫療従事者が主なメンバーとなって、2014年1月に設立された。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年4月13日