人民網日本語版は、中國の新聞報道を翻訳した記事を理解する上での手助けとなるため、「中國時事用語集(中日対訳)」を開設しました?!钢袊鴷r事用語集(中日対訳)」には中國の新聞報道に使用される政治?経済?社會?文化?法律などの用語を幅広く収録し、定期的に更新する予定です。読者の皆様のお役に立てれば幸いです。
「空氣質量」と「大気の質、大気質」。日本語の「空気」は身近な存在として捉えられ、使用頻度が高いのに対して、「大気」は比較的範囲が広く、生活圏からも距離があるものとして捉えられ、使用頻度も相対的に低いと言えます。つまり、「空気」のほうがより生活に密著している言葉だと言えます。この點においては、中國語の「空氣」と「大氣」の違いに似ています。ただ、日本語と異なるのは、中國語の「空氣」は、日本語よりも使用範囲が広いという點です。
例えば、日本語では「空気清浄機」、「空気がおいしい」、「暖かくしめった空気」といった場合の「空気」を「大気」に言い換えることはできません。一方、中國語の「空氣清潔器」、「空氣清新」、「暖濕空氣」も日本語の場合と同じで、「大氣」に言い換えることはできません。ただ、日本語との違いも見られます。「空氣污染」と「大氣污染」、「空氣質量」と「大氣質量」、「空氣濕度」と「大氣濕度」は全く同じ意味で使われることがあります。ただ、「空氣」はより生活に密著しているために、室內などの閉鎖的な空間について使われるのに対して、「大氣」にはそうした用法はありません。例えば室內においては、「空氣污染」とは言いますが、「大氣污染」とは言いません。
「和平解放」と「平和的解放」。中國語の「和平」に當たる日本語は、「平和」と「和平」という二つの言葉が存在する。「平和」となるのが一般的ですが、「○○交渉」や「○○工作」、「○○プロセス」のような複合語の場合は、「和平」が使われるのが一般的です。また、日本語の「平和」に接尾辭をつけて、「平和的」や「平和な」、「平和に」のように副詞や形容詞として使われます。それに対して、日本語の「和平」にはそれらの接尾辭を付けることができません。なぜこのような違いがあるかと言えば、「平和」は戦爭や災害がなく、世の中が穏やかな狀態にあることを指しています。一方、「和平」は悪い狀態から平和な狀態になる、または平和な狀態にするという「狀態の変化」の意味が込められているため、「和平的」、「和平な」、「和平に」というように使えないと考えられます。
ただ、最近では、「平和交渉」や「平和プロセス」のような言い方も現れ始めています。これは言葉の揺れと見るか、言葉の変化と見るか、現段階ではまだ斷言できず、これからの変化を見守る必要があるでしょう。(許永新)
人民網日本語版2014年8月18日