中國動畫配信サイト?ビリビリ(bilibili)のダンスコーナーを見ると、ほとんどのうP主が「極楽浄土」の「踴ってみた」動畫をアップしており、再生回數が數百萬、ひいては1千萬回以上のうP主もざらだ。そんなビリビリで爆発的大ヒットなった「極楽浄土」の人気にこのほど、再び火が付いた。ここ數日、「極楽浄土」関連の動畫や書き込みを見ると、「MARiA(メイリア)がデビューできなかったら、ここにいる『オタク』たちの責任!」や「中國の國內のエンターテインメントに『2次元(アニメ?漫畫?ゲームなどの総稱)』の衝撃をくれてやる!」といったコメントが寄せられている。人民網が各社の報道をまとめて報じた。
中國のオーディション番組「乗風2023」の放送が今月5日から始まった。女優や歌手、アーティストといったさまざまな業界の女性がステージで競演する同番組は今年、中國國內や海外の蕓能人33人を招いた。そこに、「極楽浄土」を披露するMARiAも名を連ねている。
放送がスタートした5日、MARiAの初ステージは、口コミこそ良かったものの、大反響というわけではなかった。ただ、その後、動畫が2次元の「本拠地」であるビリビリにアップされると、「大反撃」が始まった。長年の2次元ファンがビリビリでまず、「ルネサンス」の兆しに注目し、2016年にビリビリで大ブレイクし、「『踴ってみた』の頂點」に君臨した「神曲」の再ブレイクを後押しした。MARiAの派手で個性的な衣裝、ダンス、聲が「復活」したその初ステージは、時間こそ短かったものの、パフォーマンスはキレキレで、歌詞は中國語と日本語を混ぜた特別バージョンだった。
「乗風2023」は、素人が參加する本當の意味でのオーディション番組ではないものの、「グループとしてデビュー」を売り文句にしている。そして、2次元ファンらは居ても立っても居られず、MARiAに票を投じた。MARiAの得票數は、6日夕方から急上昇し、7日午後には約400萬でトップに立った。そして、関連の話題が中國のソーシャルメディア?微博(ウェイボー)の検索ランキングトップに立った。その後、14日には、得票數が6000萬を超えて、斷トツトップとなった。絶大な支持を得たMARiAは微博でファンに感謝の気持ちを伝えている。
そして第1次公演で、 MARiAは龔琳娜(ゴンリンナー)とデュエットし、中國語と日本語を混ぜた「花海」を披露。歌もダンスも「完璧」と絶賛され、最も話題となったステージの一つとなった。ステージのレベルについて、同番組の音楽総監?趙兆氏は微博で稱賛し、多くのネットユーザーから「得票數は少なすぎるよね」といったコメントが寄せられた。その後発表された人気度ランキングで、MARiAは5位となった。
2016年にリリースされた「極楽浄土」にはどのような魅力があって「神曲」となり、その人気が現在に至るまで続いているのだろうか?エレクトロニック?ミュージックである「極楽浄土」は、非常にリズミカルで、聴いていると思わず踴り始めてしまいたくなる。またダンスという観點から見ると、足を滑らせるようなバタフライステップと手の動きを組み合わせており、活力にあふれているほか、優雅で、誰でも簡単に踴れるため、大ブームを巻き起こした。また、たくさんの蕓能人がジャンルの壁を超えて、番組やステージで「極楽浄土」をカバーし、ジャンルを問わず人気を集めた。
タイトルをリニューアルしながら「乗風2023」は今年シーズン4を迎えた。大衆向けバラエティー番組でもある「乗風2023」の視聴者は、どんな個性あるチャレンジャーが登場してもそれほど驚かなくなっているものの、他のチャレンジャーと異なり、MARiAが登場すると空気が一気に変わる。かわいいルックスや仕草、話し方を見ていると、日本のアニメのキャラクターが現実の世界に登場したような気分にさせられる。「神曲」である「極楽浄土」のクリエイターで、2次元文化の理解者でもあるMARiA は、中國の2次元ファンの心を鷲摑みにし、投票數を伸ばしている。
MARiAの大ブレイクを見ると、昨年同番組に出演した臺灣地區の歌手?王心凌を思い出す。二人とも、最初にブレイクした當時のパフォーマンスを見事に再現した。時は流れたものの、その歌は當時と同じで、素敵な笑顔、ダンスを披露した。王心凌がブレイクしたのは、臺灣地區の音楽界が最も盛り上がっていた時代で、 中國大陸部の90後(1990年代生まれ)が、臺灣地區の人気ドラマに夢中になっていた時代でもある。今回、MARiAのパフォーマンスを見たファンらも、アニメを見たり、バタフライステップの練習をしたりしていた青春時代を思い出したのではないだろうか。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年5月23日