一言指示を出せば、すぐに仕事に行ってくれる。人工知能(AI)技術に基づく各種ツールが今、さまざまな業界に新たな體験をもたらしている。
AIは絵を描くのがうまい。例えばミッドジャーニーなどのAI絵畫ツールがプロの畫家たちをしきりに驚かせている。
AIは歌を作るのも、詩を書くのも、法律に関する質問に答えることもできる……対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」の人気の高まりにともなって、AIは未來の「最優秀社員」になれるだろうか。
達而観情報科技(上海)有限公司の陳運文會長兼社長は、「AIのブレークスルー的発展はこの數ヶ月間に相次いで起きた。未來、我が社の仕事のやり方は『人がオフィスで働く』から『パソコンがオフィスで働く』に変わる可能性がある。つまり、人のいない『ダークオフィス』になる可能性があるということだ」と感慨深げに話した。
マイクロソフト中國法人のシニア専門家の説明によると、チャットGPTは元々はエンジニアがGPTの実際の応用能力を検証するために派生した応用だ。業界にはチャットに利用されるチャットGPTがあれば、文章を書くのに利用されるライティングGPTもあり、これ以外にも多種多様な応用がある。
GPT(Generative Pre-trained Transformer)とは、大規模言語モデル(LLM、Large Language Model)の一種であり、これまでで文書の処理に最も成功したと証明されたモデルの一種でもある。
自然言語処理(NLP)はどれほど重要か。例を挙げると、「犬」という字は3歳の子どもでもすぐに理解できるが、コンピューターにとっては極めて難しい問題となる。開発者が長い時間を費やしてトレーニングを重ね、コンピューターが言葉の裏にある意味を理解するよう導き、「犬」には動物である、四つ足である、毛がふさふさしている、嗅覚が鋭いなどさまざまな意味が含まれていることを學ばせていく。
業界関係者が不思議に思うのは、大規模言語モデルがますます賢くなっており、予想外の能力を身につける力である「創発的能力」を備えるようになったことだ。これは人間の場合、かなり深くまで學ばないと理解?到達できないものだ。科學研究者もまだ「創発的能力」が生まれる深層レベルの原因を解き明かせていないが、AIがこの能力を備えたことでまた一つ技術の限界を打ち破ったことは確かだ。
中國科學院上海高等研究院スマートシティ研究センターの寧徳軍センター長は、「モデルのパラメーターを見ると、大規模言語モデルのスマートさは人の脳という『スーパーコンピューター』にはまだ到底かなわず、未來は創造的にAIを利用できる人間のものになるだろう」との見方を示した。
一部の業界関係者は、チャットGPTなどの大規模言語モデルを「副操縦士」とみなし、それを生産性を高めるのに利用し、「機長」に取って代わることはないと主張する。これはつまり、未來はツールが人に取って変わるのではなく、「ツールを使いこなせる人」が「ツールを使いこなせない人」に取って代わるということだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年4月26日