「史上最高額のW杯」と言われるFIFAワールドカップ(W杯)カタール2022が現地時間11月20日に開幕した。
今回の大會を成功に導くため、開催國カタールはこれまでに2200億ドル(1ドルは約140.6円)以上を支出し、これは直近の7回の大會にかかった費用の合計のほぼ5倍にあたる金額だ。
なぜこれほど大きな數字に? カタールは回収できるのか?
カタールの今大會開催のコストについて、公式に確認された最終的な數字はまだ出ていないが、これまでに世界の複數のメディアや分析機関がよく引用するのは、「カタールの今大會開催費用は2200億ドル以上」という數字だ。
カタールのような「油が有り余るほど裕福」な中東の國にとっても、2200億ドルは決して小さな數字ではない。カタールは早くも2010年にW杯開催権を獲得している。大まかに計算すると、それからの12年間、毎年W杯のために約183億ドルを支出した計算になる。この數字はカタールの21年國內総生産(GDP)の10分の1に相當する。
カタールはどのように「もうける」のか?
投入された巨額の資金が回収できるかどうかは、収益がどれくらい上がるかによって決まる。
試算によれば、今大會はテレビ放映権料、チケット代金、スポンサー料が主な収入源で、総額約47億ドルに達すると見られる。しかしこの収入が開催國の懐に入ることはない。収入から大會運営コストを除いた純利益は約30億で、これはFIFAの利益となり、そのうち約10%がFIFAの日常業務に充てられ、殘りが世界でのサッカー普及活動の費用に充てられる。
それでは開催國のカタールはどのように「もうける」のだろうか。重要な収入源の1つは観光だ。
米スミス大學の経済學教授のアンドリュー?ジンバリスト氏は、「カタールはW杯開催期間中に130萬人の観光客を受け入れるとみられ、仮に観光客1人が平均4日間滯在し、1日あたり300ドルを消費するとすると、カタールは約15億6千萬ドルの収入を得ることになる。しかし、この數字はW杯全體の支出から見れば微々たるものに過ぎない」と試算した。
開催國カタールが長い目で見てはじくそろばん
もちろん、W杯のような大型イベントを開催する場合、短期的な収支といった目先の利益を考えるだけではなく、投資の多くは長期的なものであり、現地経済への長期的な影響が考慮されている。
世界中の數十億人が注目する一大イベントは、開催國にとってこれ以上ない広告宣伝の場になる。長期的に見て、カタールの観光産業、対外貿易、投資などを促進するプラス効果を上げることが予想される。
カタールにはW杯をてこに長期的発展を達成したい考えもある。分析によれば、カタールのW杯への「クレイジー」とも言える支出は、同國の國民の生活水準の向上と國際関係の改善を目指す計畫「カタール國家ビジョン2030」に合致するという。
2022年サッカーW杯カタール大會伝送と遺産の最高委員會(SC)のハッサン?アル?タワディ事務局長はこのほど取材に対し、「メディアが伝える2千億ドルあまりの費用にはカタールのすべてのインフラプロジェクトと開発の費用が含まれており、W杯のために建設されたものだけでなく、多くの施設はW杯終了後も長期にわたって使用される」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年11月21日