コンサルティング大手のKPMGと招商銀行がこのほど共同で発表した報告書「資産管理者資産運用成熟度報告2021」によると、全體的に見ると、現在の中國における資産管理者の投資は「あまり成熟していない」狀態で、資産運用市場の急速な発展狀況と十分に釣り合いが取れているとは言えず、理念の認知が投資の実踐に比べて明らかに後れを取っている。目下の資産管理者の投資行為の中には、衝動的な投資や追隨的な投資が引き続き広く存在するという。中國新聞網が伝えた。
同報告は資産運用市場の長期的な追跡調査研究と人々への定性調査に基づき、「資産運用成熟度指數」を構築した。それによると、資産運用の5段階のレベルを設定したところ、人々の72%が「あまり成熟していない、または成熟していない」レベルにとどまったという。
KPMG中華圏金融業務主管パートナーの張楚東氏は、「人々がますます複雑な供給選択肢を前にして、資産配置に関する決定を速やかに行う必要がある中で、資産管理者の資産運用に関する理念、商品知識、投資行為などが成熟しているかどうかが非常に重要になった」と述べた。
KPMG中華圏金融業務戦略コンサルティングパートナーの王強氏は、「認知と行動とのずれは投資者の成熟度に影響を與える鍵となる要因だ。資産運用の成熟度が上がるにつれ、人々の認知と行動とのずれはより小さくなり、認知を超えた投資行為は軽々しく行われなくなる」と述べた。
資産管理者の投資狀況をさらに成熟させるにはどうしたらよいか。同報告が參考として示すのは、深い情報をつかむこと、「資産配置+長期的投資」を強調することなどだ。同報告によると、「成熟した資産管理者」のうち60%近くが金融情報を毎日チェックし、さらに業界の動向や政策のニュースなどの深い情報に觸れているという。また68%が取り扱う商品を期間1年以上のものとしており、ここから彼らが市場のムードの影響をたやすく受けることはなく、後追いで「株価が上昇するときに買い、低下するときに売る」こともないとわかる。
また同報告は細分化した顧客の資産管理に対する態度の違いに著目している。たとえば年齢25-35歳が多く、「お金の稼ぎ方と使い方がどちらも上手だ」と言われ、投資経験が一般的に2年未満の「資産運用新勢力」だ。分析によると、この層は資産配置の理念に対する理解が淺く、現金ポジションや安定型のポジションに集中するといい、金融機関に対し「信頼」をサービス理念とし、雙方向のSNSプラットフォームの構築やスマート化したサービスの提供によって、この若い顧客層をつかまえるべきだと提案している。
また55歳以上の「裕福なシルバー族」がいる。同報告は金融機関に対し溫かさをサービス理念とし、高齢者向け商品のイノベーション、各段階のニーズの細分化、「健康な老後」生態圏の構築を通じて、この層に全方位的なサービスを提供するよう提案している。
同報告はこのほか、顧客の実際の狀況を詳しく読み取る専門の機関が必要であり、投資配置の理念や商品知識に関する顧客への教育を強化し、「長期主義」に価値を置く投資という科學的な理念を打ち立てるよう顧客を導き、資産管理者自身の持つ専門的能力によって顧客が資産運用を認識し、商品を選び、商品に投資するのをサポートすることに重點を置くべきだと注意を促している。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年1月6日