1986年、四川省徳陽広漢市で、長江上流域文明の中心とされる三星堆遺跡が數千年の眠りから目を覚まし、考古學ファンを大いに驚かせた。そして、今年3月20日に発表された考古學発掘調査の新たな成果が、再び多くの人を驚愕させている。これらの出土した重要文化財約500點のなかでも、右半分だけの黃金の仮面が特に注目を集めた。封面新聞が報じた。
4月12日、25歳のうP主「才疏學淺的才淺」(以下、「才淺」)さんは動畫共有サイト?bilibili(ビリビリ)に、「20萬元(1元は約16.5円)で購入した500グラムの金を15日かけてたたき伸ばし、手作業で三星堆の黃金の仮面を復元」というタイトルの動畫をアップした。動畫には、金の仮面を自作する全ての過程の詳細が記録されている。
この男性の極めて優れたそのスキルに、多くのネットユーザーが「いいね!」を押し、大きな話題となっている。三星堆博物館の朱亜蓉副館長も、微信(WeChat)のモーメンツにその動畫をシェアし、「當館の修復館で働きましょうよ」と書き込んだ。
14日早朝、才淺さんは取材に対して、「文化財の修復は、もっとスキルを磨いてから」と話した。
20萬元で本物の金を購入して黃金の仮面を復元
上海に住む才淺さんは、「3月20日に、半分の黃金の仮面のニュースを見た。そして、たくさんのネットユーザーが、想像を膨らませ、畫像修正をすることで、殘りの半分を復元していた。なかには、とても誇張したものまであり、それを見た時、とてもおもしろいと感じた。僕は色々と手作りするのが大好き。だから、自分もやってみようと思った」と話す。才淺さんはビリビリのアカウントだけでも、247萬4000人ものフォロワーを抱えている。
新たに出土した半分だけの黃金の仮面の幅は約23センチ、高さは約28センチ、重さは約280グラム。専門家は、完全な形のこの仮面の重さは約500グラムだったと推測している。そこで、才淺さんは2日かけて資金を調達し、銀行で500グラムの金を購入し、製作するための道具も揃えた。
「なぜ、こんなにお金をかけて、本物の金を使って仮面を作ったのか?」という質問に、才淺さんは、「完全に手作業で作って、3000年前の古代の職人の気持ちを感じ取りたかった」と説明し、「そうすることで、昔の人と『心を通わす』ことができると思ったから」と話した。
15日かけて金槌で1萬回以上叩いて伸ばし、黃金の仮面を復元
「どうしても手作業で復元したかった。本物の金を使ったのは、金は延性に富み、化學的安定性も高いから。薄く伸ばしても、破れることはない」と才淺さん。
1.8キロの金槌で、1萬回以上叩き、金の延べ棒を厚さ平均0.3‐0.4ミリまで伸ばし、三星堆遺跡で発見された黃金の仮面とほぼ同じ厚さの金の板をつくり上げた。
「僕の長年の経験を基に、3000年前の技術なら、まず、青銅の型を作ってから、薄く叩き伸ばした金の板をその上にのせて、また打ち叩きながら形を整えたのではないかと考えた。そうすることで、顔を象った型にぴったり合う仮面を作ることができる」と才淺さん。
ただ青銅の顔を象った型はないため、才淺さんは金の板に仮面を描き、そのあと突起した鼻、目、耳といった部分を順に丁寧に金槌で叩いたり、カットしたりして形を整えた。
15日間かけて、輝く黃金の仮面が完成。さらに、4‐5日かけて動畫を編集し、才淺さんはビリビリにそれをアップ。今月14日0時の時點で、再生回數は270萬回に達し、75萬人から「いいね!」が寄せられている。
何度叩いて伸ばしても依然として燦然と輝く黃金の仮面を見て、才淺さんは、「今はアルミや電気メッキがあふれている時代であるものの、僕は金の美しい輝きに魅了された。そうした実感は長い時を隔てても変わることはなく、タイムスリップして3000年前の職人と一緒に同じ感想をもらすかもしれない。黃金の仮面を作った職人も、金の輝きに魅了されたに違いない」と感慨深く語った。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年4月15日