消費者のニーズの変化が中國の國産品に新たな発展の可能性を切り開き、國産品の発掘により消費者が文化的なものを追い求めるようになり、心の內なる文化への自信がかき立てられるようになった?!附U済日報」が伝えた。
白酒(蒸留酒)メーカー?瀘州老窖の香水、青島ビールのコート、調味料ブランド?老干■(女へんに馬)のスウェット……ここ數年、「伝統を守りながら、ネットで人気が出た」國産品の新たなブームが起きている。人々の記憶の中にある野暮ったくレベルの低い國産品ブランドが、コラボレーションやクロスオーバーなどの手法により、現代のトレンドと伝統文化とのぶつかり合いの中で新たな発展の地平を拓いた。
中國伝統の要素を取り入れたおしゃれな國産品のトレンド「國潮」のブームには、若い世代の新たな感情的ニーズ、価値観の帰屬先、集団のアイデンティティなどが映し出されている。たとえばナイキのスニーカーを買う時、単に歩くための靴を買うというだけでなく、自分のライフスタイルを表現する靴、自分が何者か、どんな人になりたいのかを語る靴を買うことになる?,F在、インターネットとともに成長した若者は品質と個性をより重視する。彼らの海外ブランドに対する態度は、かつてのような手放しでの崇拝ではなく現実的で理性的なものになっている。
「國潮」のブームはまた、國産品の臺頭でもある。2018年に李寧が鮮やかな中國的要素をひっさげて米國ニューヨークのファッションウィークに登場すると、數多くの「國潮」ブランドが積極的な動きをするようになった。かつては輸入ビッグブランドが高品質のシンボルであり、國産品はビッグブランドの「安価な身代わり」でしかなかった。そして今、消費高度化にともなって、「中國製造」(メイド?イン?チャイナ)がこれまでの古くさいイメージを変えつつあり、よりファッショナブルで、より先端の中國ブランドが新たな輝きをみせるようになり、次第に若い消費者の一番目の選択肢になっている。多くの多國籍ブランドが中國市場で苦戦していることから、ある側面より今日の中國市場の様子がうかがえる?;Aをしっかりさせようとするなら、強大な中國市場の底に橫たわる考え方を理解しなければならない。
ここ數年、次々登場した「國潮」ブームで人気のマーク、イメージ、モチーフなどを見ると、伝統文化と審美眼の復興がはっきりとした特徴であることがわかる。おめでたい雲の図柄、繁體字の漢字などの文化的モチーフが文化的レイヤーを打ち破り、情感とファッション性の枠を超えて融合したビジネス実踐の中に溶け込んで、「潮」の概念を定義し直すとともに、若い世代の「東洋の美學」への憧れの気持ちを引き起こした。
この意味で、「國潮ブーム」は経済現象でもあり、文化現象でもある。消費者のニーズの変化が國産品に新たな発展の可能性を切り開いたというなら、國産品の臺頭により消費者が文化的なものを追い求めるようになり、心の內なる文化への自信がかき立てられるようになったともいえる。阿里研究院が発表した「2020年中國消費ブランド発展報告」によると、過去1年間に、中國の消費者のショッピングカートに入った商品の8割以上が國産ブランドのものだった。文化的な自信をもつようになったからこそ、國産品を買い、國産品を使い、國産品をみんなと共有することが消費者の日常的なライフスタイルになったのだ。
実際、國産品だけでなく、人気の高い國産漫畫、國産ドラマも伝統文化のモチーフを借りて再生を果たし、ますます多くの若者が自信に満ちた表情で漢服(伝統衣裝)を身にまとい外を歩くようになった。昨年以來、伝統文化や田園生活をテーマにした動畫を配信するビデオブロガーの李子■(さんずいに七、その下に木)がネットで大人気になったことも、一種の文化現象だ。日が昇ると起き出し、日が暮れると休むという田園生活の中、李子■はカメラを通じて、伝統的な文房具、四川省の刺繍、キンモクセイの酒などに新たな命を吹き込み、西洋世界に向けて中國の美を発見するための窓を開いた。多くの海外のネットユーザーがしきりに感嘆して、「李子■は私たちが忘れていた中國の文化、蕓術、知恵を改めて世界に紹介してくれた」と述べている。
「國潮」ブームの勢いを弱めないためには、現在のような文化的自信を守り続けなければならない?!竾薄工?文字に込められた意義は、業界の枠を超えて融合するビジネス上のイノベーションをはるかに超えている。そのため、企業にとっては、くれぐれも「國潮」を単なる手段とし、マーケティングのためにその勢いを借りようとしてはならない。文化的なマークを並べ立てるだけで、その核心的価値を掘り起こさなければ、文化を敬う気持ちを失い、品質を守り続けられず、「國潮」の中に流れる理念をうまく伝えられないだけでなく、「國潮」のもつ文化的な本質から遠く隔たることになる。國産品ブランドがカーブで加速し追い越しをしようとする道において、こうした文化への自覚をより高めることが必要だ。(編集KS)
「人民網日本語版」2020年11月3日