今年4月で、微信(WeChat)にモーメンツの機(jī)能が誕生して丸8年になった。2012年4月、微信4.0バージョンでこのモーメンツ機(jī)能が追加された。チャットもでき、モーメンツで友人の生活の様子を知ることもできるWeChatは、さらに一つのライフスタイルのようになっている。中國青年報が報じた。
自分の過去を「消去」する人がいるのはなぜ?
ここ數(shù)年、設(shè)定を過去3日間のモーメンツだけを他の人が見ることができるようにしている人が増えた。そして、「過去3日間のモーメンツのみ表示」という「區(qū)切り」により、初モーメンツはもとより、その人の過去の歴史が消し去られてしまったように感じさせられる。
「過去を消し去れば、過去が私の足を引っ張ることはなくなる」とし、「モーメンツをアップしてすぐに、しなければよかったと思うことがある。3日分殘していても多いくらいだ」と話す人もいる。
モーメンツやQQ空間、微博(ウェイボー)などは自分の気持ちを記録するだけでなく、もう一つ重要な機(jī)能がある。それは他人に自分がどんな人間なのかを知ってもらうことができるという機(jī)能だ。
エリートは常に學(xué)術(shù)的なニュースばかりを転載し、文蕓青年はお勧めのマニア向けの音楽や映畫、ドラマなどをしばしば紹介し、グルメ好きはあらゆる地域の料理を紹介し、冗談好きの人は朝から晩までユーモラスな內(nèi)容を投稿する。このようにその人のモーメンツを見れば、どんな人なのかを知ることができるのだ。
ブロック、消去、削除して、過去の未熟さを認(rèn)めないというのは、自分を守るために最もよく使われる方法の一つだ。過去の過ちを否定し、覆い隠すことで「今」が脅かされることがないようにするのだ。
過去の自分は本當(dāng)に「未熟」なのか?
もしかすると過去の自分を、私たちは故意に、または知らないうちに低く評価しすぎているのかもしれない。
ある研究では、大學(xué)生に2ヶ月前の自分を評価してもらうと、2ヶ月前の當(dāng)時の自分に対する評価よりも、自分を低く評価する傾向があることが分かった。そして、事実とは異なり、「進(jìn)歩していない」と錯覚していた。わずか2ヶ月前であっても、そのような錯覚に陥るのであれば、數(shù)年前のモーメンツとなると、「他の人に絶対見られなくない」と感じるのももっともなことかもしれない。
しかし、全ての人が過去を振り返って、自分を低く評価するわけではない。過去に憧れ、あの時は良かったと振り返る人もいる。5年前のモーメンツを見ると、その頃のいろんな記憶が蘇り、記憶と記憶が再び構(gòu)築される。こうした記憶の再構(gòu)築の過程で、多くの人は消極的な感情を取り除き、思い出に浸り、なかには過去を自畫自賛する人すらいる。
自畫自賛する內(nèi)容は往々にして現(xiàn)在の自分が重視していることではなく、過去に重視していたこととなる。
未熟な過去の自分とどう向き合うべきか?
ある研究では、過去の自分に対してネガティブな姿勢を示す人と比べると、ポジティブな姿勢を示す人のほうが、明るく、健康で、成功していることが分かった。
SNS上で、自分のイメージをどのように形作るかは非常に重要なことだ。特に、新しい友人ができた時には、未熟な過去の自分だけでなく、今の自分の未熟さも知られたくないと感じるものだ。
近年、同じ趣味を持つ人とマッチングできるSNSアプリが続々と登場している。中國では2016年にはすでにそのようなアプリのユーザー數(shù)が約5億人に達(dá)していた。同時に、「知らない人と交流してもおもしろくない」といった聲も少しずつ高まっていった。知り合った當(dāng)初は、共通の話題で盛り上がっても、數(shù)日後には話題がなくなり、そのような「新しい友人」のほとんどのことをもっと深く知りたいとも感じずに、次第に連絡(luò)を取らなくなるということが多い。そして、最終的に、現(xiàn)実の世界の友人との交流に戻り、平凡でも、現(xiàn)実味のある生活を送るようになる。
実際には、現(xiàn)実の世界の友人と過ごすほとんどの時間において信頼される行動をしていれば、時々「未熟さ」が露呈してしまっても、そのほうが逆に真実味がある。もしかすると、過去の自分を低く評価することも、自畫自賛することもベストアンサーではなく、「本當(dāng)の自分」こそがベストアンサーなのかもしれない。誰にでも必ず弱點(diǎn)もあるということを認(rèn)識するようになると、こうした問題は問題ではなくなるだろう。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語版」2020年5月16日