モンゴル語と日本語は文法が似ているなどの理由から、內蒙古(內モンゴル)の一部地域では、大學だけでなく中學?高校でも日本語の授業が行われている。しかし、地理的に辺境にあり、人口密度が低いため、現地に住む外國人は非常に少なく、外國語學習環境の整備が、この地域の學校の普遍的な課題となっている。日本國際協力機構(JICA)青年海外協力隊は1991年から內蒙古地域に日本語ボランティア教師を派遣し、現地の日本語教育を支援している。
人民網は、JICAの職員一行と共に內蒙古赤峰學院と赤峰元寶山區第2中學を訪れ、現地でボランティアとして日本語教育に攜わる熊谷彰子さん、浦井智司さん、および地元の教師?生徒たちにインタビューした。
2013年10月、東京から赤峰市元寶山區第2中學に派遣され、2年間のボランティア活動をスタートさせた熊谷さんは、同校が80年代に日本語授業を開設して以來、初めての外國人教師となった。日本語教育に攜わって20年となる教師の王さんは、「熊谷先生が赴任して以來、學生たちは生の日本語に觸れることができ、日本に対する理解も深まった。熊谷先生の柔軟性のある教え方は他の日本語教師に良い影響を與えている」と語った。
赤峰學院で日本語教師を務めているもう一人のボランティア浦井さんは、もの靜かな性格だが、生徒たちと打ち解け合っており、彼らを家に呼んで一緒に日本料理を作ったりしている。浦井さんは今年6月に2年間の任期を終える。生徒たちに浦井先生が帰國する前に何か言いたいことがあるかと聞くと、一番多かった答えは、「先生、帰國しないわけにはいかないの?」だった。
JICA中國事務所の職員は、赤峰訪問中に、ボランティア2人の授業を見學し、、生徒たちと楽しい交流の時間を持った。生徒たちは皆、日本語の會話が練習できるこのチャンスを生かし、「どんな食べ物が好きですか?」「実家はどこですか?」「日本のどこが1番きれいですか?」などと日本語で會話を行った。簡単な日本語だったが、そんな中でも、生徒たちが一生懸命かつ積極的に日本語を話そうとしているのが感じられた。ボランティアに対する印象について聞くと、多くの生徒たちが、「まじめ」「がまん強い」「友達みたい」と答え、その言葉にはボランティア教師に対する敬愛の念が満ち溢れていた。
同行したJICAボランティア事業のコーディネーター?池田敬氏は、「ボランティア教師が現地で受け入れられ、認められていることが嬉しかった。顔と顔を突き合わせて、日本の支援を直接屆けることが、ボランティア事業の一番の特徴である」と語った。
現在、JICAのボランティア事業は世界70カ國以上に及んでいる。1986年にスタートして以來、すでに約800人の日本人ボランティアが中國を訪れ、教育、醫療、環境保護などの分野で活動してきた。現在、中國に派遣されている日本語教育ボランティアは7名。今後も、熊谷さん、浦井さんのようなボランティア精神と専門性を有する若い人材が、中國の日本語教育の第一線で活躍することを期待したい。(編集MZ)
「人民網日本語版」2015年3月30日